日本のバブルが崩壊しなかったらどうなっていた

バブルが崩壊したのは公定歩合の引き上げと不動産融資に関する総量規制を行なって、銀行が企業の活動資金を貸し付けし難くしたことが主な要因になりました。

その結果株価は1989年の大納会に高値をつけた後に、翌年初めから下げていきましたし、土地や建物の価格も1990年を頂点にして上がり難くなりました。

それではバブルが崩壊しなかったらどうなっていたのでしょうか?

バブルが生んだ負の遺産を検証しながらバブルが崩壊しなかったらどうなっていたかを検証していきます。

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後から効いてきたバブルが生んだ負の遺産

バブル景気の最中に企業は銀行からお金を借りて土地を所有し、その土地を担保にして新しい土地を所有したり企業の活動資金の借り入れを受けたりしていました。

しかし、銀行から資金を借り難くなってバブルが崩壊すると、担保価値が下がって融資額に対して担保割れするようになってしまいました。

そして企業の業績も下がって倒産する企業も増えてきました。

その結果倒産や業績悪化で融資先からの回収が出来なくなった多額の不良債権を抱えた銀行が増えてしまいました。

多額の不良債権を抱えてしまった銀行は、損失を補填するために自己資本をあてていきましたが、自己資本比率がある程度以上ないと銀行業を営むことが出来ないために、新しい貸し付けを行なわない貸し渋りが行なわれるようになりました。

そのために特に中小企業では従業員の給料未払いが発生したり、新規採用の見送りや中高年層のリストラが行なわれたりしましたし、倒産する銀行や中小企業が増えていきました。

負の遺産がなくバブルが崩壊しなかったらどうなるか単純な検証

バブルは東京だけではなく大阪やその他の都市にも波及していき、北海道や東北・四国や九州の一部の地方都市では、1993年まで地価の公示価格が高騰していましたが、先に高騰を続けた東京や大阪よりも安い地価を求めて高騰する地域が波及的に広がり、最終的には全国の地価が高騰することになると推定できます。

そして地方の地価が全体的に高騰すると、それぞれの地方自治体の財力が向上して地域の活性化が拡がっていき、地域独自の産業が活性化されていくという楽観的な検証も出来るでしょうし、その先には道州制の導入でそれぞれの地域の自治権が更に高まることを想定することも可能ではあります。

しかし、実際に負の遺産がなくて不良債権処理を考えなくて済む状態であっても、全国的に企業の活動が活発になっていけば賃金も上がりますが物価も上昇していきます。

ある程度の物価上昇は生活に豊かさを与えて良いのですが、物価が更に上がり続けると逆にお金の価値が下がっていきます。

具体的には物価が上がればその分使用する貨幣の数も増えるのですが、お金の流通量が同じであれば手元のお金が少なくなってしまい、そのうち高すぎて買えないという状況が訪れます。

特に賃金の上昇が物価の上昇に追いつかない場合、逆に割引セールやディスカウントショップを利用する人が増えていき、その結果物価上昇に影響を与えることもあるかもしれません。

負の遺産があった場合でバブルが崩壊しなかったらどうなるか

このように考えるとバブルが崩壊しなかったら更に暫くは好景気は続いたでしょうが、そのうち好景気も頭打ちになると想定できます。

しかも、これは負の遺産が無かったらという前提での想定ですから、もっと現実的にバブルが崩壊しなかったらどうなるかを検証すると、バブルの範囲は地方に更に拡大して更に多くの都市部でバブル景気が訪れたでしょうが、銀行の融資額が膨らんで銀行自身の運営に支障が出るようになれば、結局貸し付けが行なわれ難くなり、そのうちにバブルが崩壊することになったと思われます。

まとめ

バブル時代を知っている人にとってはバブルが崩壊しなかったらどうなるかという思いは今でも持つ人はいると思いますし、これから同じようなバブルが起きないかと期待している人もいるかもしれません。

しかし、バブルはバブルでいつかは崩壊するものといえるので、バブルが崩壊しなかったらという思いは、夢の中だけのこととしておくことで良いかもしれません。

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