バブル景気の時代は土地や建物などの不動産が高騰していき、地方ではリゾート開発が盛んに行なわれていましたが、これは不動産バブルの時代ということも出来ます。
そして、この不動産バブルは幾つかの遺産を生んでいきましたが、この不動産バブルによって生まれた遺産について述べていきます。
不動産バブルでもあったバブル景気の遺産
バブル景気の時代、銀行からの融資を受けて土地や建物の投機的な売買が繰り返されていき、その結果土地や建物などの不動産の価格が急騰していきました。
そのような中新しい土地を取得するために、地権者への立ち退きを迫る地上げ屋といわれる業者が、強引な手法で立ち退きを行なうなどの社会問題も発生していました。
そして1987年にリゾート法が改正されて各地でリゾート開発が相次いで行なわれていき、このころからスキーブームが到来してスキー場の整備が行なわれたり新しいスキー場が開設されていきました。
その一方リゾートマンションの建設が急激に増えていき、例えば有名なスキー場を多く抱える湯沢町では3912戸のリゾートマンションが建設されましたが、全国で建てられたリゾートマンションの三分の一以上が湯沢町に集中していましたし、テーマパークも改正リゾート法を受けて全国各地で建設されて開園していきましたし、最小で1143億円そして最大で9800億円のリゾート施設が、30地域で合計9兆3753億円という膨大な予算で建設されていきました。
そして、円高ドル安の影響を受けて日本企業による海外企業などの買収が増えていき、例えば1989年に三菱地所がアメリカのロックフェラーセンターを約2000億円で購入しましたし、幾つかの日本企業がF1チームの買収を行なっていました。
銀行の不良債権はバブル景気の負の遺産
バブル景気の時代は低い金利と円高によって、都内などの都市部では土地や建物の不動産価格が高騰していましたが、地方においては改正リゾート法の影響もあって、リゾート開発が盛んに行なわれていきました。
しかし、バブルが崩壊するとリゾート施設やテーマパークの利用率が低下して運営に影響が出るようになり、廃業する施設も出てきました。
そして、融資した資金を回収出来なくなって不良債権が増えていき、その不良債権を処理するために自己資本をあてていたのですが、自己資本比率が下がりすぎると銀行業を継続していくことが出来なくなるので、新しい融資を行なわなくなる銀行も増えていき、その結果倒産する企業が増えていきました。
まとめ
バブル景気の最中は不動産価格が高騰して、資金は東京やその他の都市部以外に地方や海外に流れて、リゾート開発が盛んに行なわれていきましたし、海外にも流れてロックフェラービルの買収などがありました。
しかし、バブルが崩壊すると、銀行の不良債権が膨らみ、銀行そのものの存続に影響が出る銀行も現れてくることになりました。
その結果不動産バブルでもあったバブル景気の遺産として、リゾート開発で建てられた建物と不良債権が残ってしまい、バブル崩壊後に訪れた長期間の不況時代に大きな負担を与えることになりました。