バブル経済の定義とは

1986年12月から1991年2月まで4年3ヶ月あったバブル経済ですが、そもそもバブル経済の定義は何なのでしょうか?

バブル経済は何によってもたらされたのかに触れながら、バブル経済の定義について述べていきます。

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財テクブームと円高ドル安が生んだバブル経済

1985年9月のプラザ合意によって各国が為替へ協調介入を行ない、240円ほどであったドル円の為替レートは1986年12月までに150円ほどまでになり、1988年には130円前後まで円高に進んでいました。

バブル経済になる前はこの円高ドル安の影響を受けて円高不況になり、日銀は公定歩合の引き上げを行なって銀行が企業に融資を行ない易くしました。

その結果銀行は土地を担保にして企業に融資を行ない、企業はその資金で土地を購入したり設備投資を行なっていき、そのことによって担保としている土地の価格が上がり、その資産価値が上がった土地を担保にして更に多くの融資が行なわれていきました。

そして、収入が増えた個人や企業は財テクブームの影響を受けて、高騰を続ける土地などの不動産の売買を行なったり、株式投資を行なうようになっていきました。

このように高騰を続ける土地を担保にして融資を行なっていった結果、担保としている土地の資産価値が上がり、その上がった資産価値によって更に多額の融資を行なっていくことが繰り返され、土地などの不動産価格が上昇を続けていました。

そして、その上昇する不動産価格や株価を見て、サラリーマンや主婦も含めた裕福になった人達が、財テク目的に不動産を購入したり株式投資を行なうようになっていき、バブル経済になっていきました。

しかも、バブル経済に入っても続いた円高ドル安の影響を受けて、高級自動車やブランド品などの高級輸入品が安く入って来て売れていき、その結果物価自体は逆に下がっていきました。

このように裕福になった個人などの財テクブームなどで不動産価格や株価が急騰する一方、下がり続ける物価を代表とする実体経済との乖離が大きくなっていきましたが、このことから不動産や株価などの資産価値が実体経済と大きく乖離していく経済状況のことをバブル経済と定義しています。

まとめ

バブル経済の定義は、一般的には実体経済に対して資産価格が高騰して大きく乖離をする経済状況のことをいいます。

しかし、1986年から始ったバブル経済は実体経済に対して資産価値が急騰するだけではなく、円高不況を招いていた円高ドル安がバブル経済になっても続き、その円高ドル安の影響で物価を押し下げられていったこともバブル経済に拍車をかけていきました。

このことから1986年から始ったバブル経済を定義すると、公定歩合の引き下げや財テクブームによって上がった資産価値と、円高ドル安で下がった物価を代表する実体経済との乖離が大きくなって発生した経済状況ということが出来ます。

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